車椅子でも行けるリフト付き貸切観光バス

用途紹介

オリンピック・パラリンピックが東京で開催された事により、各交通機関のバリアフリー化がどんどん進められています。そんな中バス業界でもバリアフリーに対応したバスの導入を検討するバス事業者様も少なくないと思います。また利用を検討しているお客様なども多いと思われます。今回は貸切バスにおけるバリアフリー化の現状と、車椅子でも安心して利用できるバスを紹介したいと思います。

電動リフト付き大型観光バス

従来の大型観光バスでは車いすの方がいらっしゃる場合、観光バスでの旅行は難しいよね?って思っている方も多いと思います。ですが、大型観光バスにも車イスのままで乗車できる。「電動リフト付き大型観光バス」があります。これだと車イスでのご旅行も可能になるのです。しかしながら、利用する上で様々な疑問や不安があると思います。それを解消すべく、電動リフト付き大型観光バスについて掘り下げてみましょう。

リフト付き大型観光バスの普及

最初にも書かせていただいた通り、日本では各交通機関でのバリアフリー化が進められており、2017年に幕張メッセで開催された、「第3回バステクin首都圏」では電動リフト付き大型観光バスやスロープの付いたマイクロバスなど、さまざまなタイプの福祉バスが数多く展示され、東京都及び(公財)東京観光財団によるリフト付き観光バス導入支援事業もスタートし、都内に営業所があるバス事業者に対し、1台あたり1,000万円を限度とした補助金を出しています。しかしながらリフト付きバスなどは、事業者にしてみても決して安い買い物ではありません。それに導入したはいいけど、全然使う機会がないと困ってしまうのではないかと、不安に感じてしまう事業者も多いと思われます。ですが、普段は大型の観光バスとして運行しており、お客様のニーズに合わせて、リフト付き福祉バスとしての利用も出来るリフト付きバスが登場しました。しかしながら利用する上で様々な疑問などがあると思われます。利用されるお客様のから利用前に多く頂いたご相談のお問い合わせを例に紹介していきましょう。

可能な車イスのサイズは?

これに関しては特注の車椅子ではない通常の車椅子でしたら、電動タイプ・リクライニングタイプ・ティルトタイプいずれも乗降可能です。また昇降台のサイズから幅75㎝×長さ125㎝・重さ300㎏以内なら特注タイプの車いすも利用できます。なので利用前には必ず自分の車椅子のサイズが適用するか事前に確認しましょう。

乗車人数と固定台数について

ここでは12列大型バスの場合を例にお答えいたします。

車椅子1台固定の場合 合計乗車人数48名
車椅子2台固定の場合 合計乗車人数47名
車椅子3台固定の場合 合計乗車人数44名
車椅子4台固定の場合 合計乗車人数43名
車椅子5台固定の場合 合計乗車人数40名
車椅子6台固定の場合 合計乗車人数37名

となります。リフトを使用する場合、車いすの固定が無くても1台分の固定スペースが必要ですが、電動タイプや特殊な形状の場合は配置や乗車人数を変更することで対応できます。

スケジュールの立て方

リフト付きでの観光バスで旅行スケジュールを考える際、必ず観光地・昼食場所等がバリアフリーなのか確認をしましょう。また、移動時間には余裕をもって計画をしましょう。具体的には通常の観光バスの1.2倍、乗用車の感覚でしたら1.5倍位の移動時間で考えるとちょうど良いと思われます。サービスエリアでのトイレ休憩が通常15分の所でもリフト車の場合30分は必要になります。あまり焦ってたくさん行こうとせず、ゆっくりとした計画を立てる事がリフト付きバスでの旅行の場合最適です。

乗降時注意する事

リフト車の乗降は、「リフトの稼働スペース+車いすの移動スペース」が必要になります。
通常のバスでしたら路肩に停めて乗降も可能ですが、リフト車はそうはいきません。バス停車し、安全に乗降するためのスペースが必要です。具体的にはバス車体の左側に約2m有れば乗降はできるでしょう。車1台分です。大きな道路沿いでの乗降の場合、後方からの二輪車や歩行者の妨げにならない様に注意も必要となります。安全に乗降をして頂くため、バス会社は「リフト乗降の補助をする人」を用意している場合もありますが事前に確認しましょう。

リフト付き貸切観光バスの料金について

通常の大型バスの料金からリフト車の場合、「特殊車両割増」を取る事が認められています。(※運賃の5割以内)普通の大型バスの料金より1倍~1.5倍となることが多いです。また先に書きましたが「リフトの乗降の補助をする人」の料金が必要な場合もあります。この場合も予算に応じてバス会社へ見積もりなどを出してもらう事が必要です。
上記の内容を踏まえた上で車イスだからと、お出かけすることをためらわず、こういったバスを利用し、外出に自信をつけていただき、旅行をあきらめずに、楽しめるようになって行ける事を願っております。

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